石坂産業はすべてが循環再生するバイオトイレ「トイレトワ」を建築しました
石坂産業株式会社(本社:埼玉県三芳町、代表取締役:石坂典子、以下「石坂産業」)は、同社が建設系廃棄物から再生したリサイクル資材NS -10(注1)80%以上と消石灰のみを利用した土壁に囲まれた完全循環型バイオトイレ「トイレトワ」(設計:遠野未来建築事務所(注2)ネーミング:株式会社TSDO(注3))を、環境教育フィールド「三富今昔村」内に建築しました。
◆ 本プロジェクトの概要
「トイレトワ」は江戸時代から続く循環を現代に蘇らせたい、土づくりに欠かせない微生物の大切さを伝えたいとの強い思いから、水を一切無駄にしない完全循環のバイオトイレとして誕生しました。
このトイレの建築はイタリア発の国際土壌回復企業コンソーシアム JINOWA(注4)の監修によるバイオアーキテクトとバイオ技術のインテグレーションによって実現しました。今後はこのバイオトイレを起点に、これまでにない体験プログラムを展開してまいります。
◆ 再生したリサイクル資材を使ったバイオトイレ建築の特徴
トイレの建物本体は、木造軸組構法でつくられ、社寺建築など高度な日本伝統の大工技術を有する寺島工務店(注5)によって日本の「伝統建築工匠の技(注6)」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されている「左官」の高度な技術の結晶として、版築という27層を丁寧に手で突き固めて重ねられた土の壁で仕上げられています。
衛生器具には、北欧のテクノロジーで生まれた防水の木製複合材料100%のフィンランドWoodio社(注7) の製品を日本で初めて採用しました。
トイレの間仕切りやカウンターにも古材を再利用しています。
汚水の循環も、日本発のバイオテクノロジーである複合発酵技術(技術提供 高嶋開発工学総合研究所(注8))を用いて、微生物の力で安全に発酵、分解、合成し、環境再生力のある酵素を含む処理水を生む技術で、汚水が100%再生利用できる水になります。またこの処理水は土壌を健やかにし、植物の成長を促進する効果が認められており、トイレの洗浄水としての循環利用に加えて、管理敷地内の雑木林で環境調査を実施する予定です。
また、トイレ周辺は世界農業遺産(注9)に認定された武蔵野の落ち葉堆肥と既にこの土地にある資源を活用した大地の再生技術が施され、土中の空気や水の流れを改善し里山を再生させるランドスケープデザイン(技術指導 WAKUWORKS株式会社(注10))となっています。
SDGsを実践する産業廃棄物中間処理プラント、および、環境教育フィールド「三富今昔村」を運営する石坂産業は「Zero Waste Design (注11)」のビジョンを社会実装していくための最初のマイルストーンと、この「トイレトワ」を位置づけ、Sustainability(持続可能)越えてRegeneration(再生)を実現し、すべての地表資源が循環するサーキュラーエコノミーを目指します。
(注1)リサイクル資材
建設廃棄物に含まれる土砂を再利用した盛土材 NS−10
建設技術審査証明
https://www.jacic.or.jp/jacic-hp/node/19214
(注2)遠野未来建築事務所 (長野県軽井沢市)
https://www.tonomirai.com/ja/
(注3)株式会社TSDO
https://www.tsdo.jp/
(注4)国際土壌回復企業コンソーシアム JINOWA (イタリア)
https://www.jinowa.org/
(注5)寺島工務店 (長野県長野市)
https://trsm-bco.jp/
(注6)無形文化遺産 左官(日本壁)
https://bunka.nii.ac.jp/special_content/intangible/125591
(注7)フィンランド製衛生器具Woodio社 (ヘルシンキ)
https://woodio.fi/en/
(注8)株式会社 高嶋開発工学総合研究所 (静岡県沼津市)
https://y-takashima.jimdofree.com/
(注9)武蔵野の落ち葉堆肥(世界農業遺産認定)
https://www.town.saitama-miyoshi.lg.jp/news/2023-0706-1243-34ochibataihinouhou.html
(注10)WAKUWORKS株式会社(東京都国立市)
https://www.wakuworks.jp/
(注11)石坂産業「Zero Waste Design」ビジョン
https://ishizaka-group.co.jp/vision/vision
プレスリリース資料は以下よりご覧ください。
「石坂産業はすべてが循環再生するバイオトイレ「トイレトワ」を建築しました(PDF)」はこちら