変える世界
「循環」による持続可能な社会の実現に向けた多様な価値創出で、私たちは、社会を、事業を、働きがいを変えていく。
産業廃棄物処理の仕事は、「きつい・汚い・危険」の「3K職場」というイメージが根強く残っています。そんなイメージを変えるために、石坂産業では労働環境の向上に取り組んでいます。最先端の装置設備やローカル5G構築、AI技術などを取り入れることで、社員の労働効率を改善。循環の工程をすべて工場施設内でおこなうことで、騒音や粉塵が漏れ出ないように対策もしています。また、里山の再生による地域貢献や、社内の美化活動などを通じて、社員の定着率も上昇。社員の中には3組も親子が働いており、「3K職場」から「誇れる職場」へと変えていく取り組みを続けていきます。
石坂産業が事業の拠点としている三富地域は、300年以上昔から手入れの行き届いた美しい里山でした。しかし、大量生産・大量廃棄の時代に突入すると、“不法投棄の穴場”と言われるほどごみの不法投棄が相次ぎ、荒廃したごみ山となってしまったのです。「環境問題を解決するためには、まず地元を美しくすることから」という考えのもと、私たちは森の再生に取り組みました。地道なごみ拾いから始まり、今では東京ドーム約4個分の敷地面積まで広がる、多様性にあふれる「三富今昔村」へと再生。生物多様性を評価する「JHEP認証」では、最高ランク「AAA」に認定。人と自然と技術が共存できることを地域に示したのです。
ガラスや瓦礫、コンクリート、木くず、紙くず、金属くずといったあらゆるものが混ざり合った“混合廃棄物”は、資源循環が困難な廃棄物です。それを再資源化するために、研究開発を進め、業界トップクラスの技術となっています。
それだけにとどまらず、太陽光発電・省エネ設備・雨水循環システム・自然光取り込みによる照明電力の削減などで環境に配慮。業界を先駆けて、「再資源化プラント」を超えて「エネルギー創出プラント」へと進化を遂げています。
「ごみをごみにしない」ために、石坂産業はこれまで「廃棄物処理業」から「資源循環業」へと事業のあり方を大きく転換してきました。その結果、現在は廃棄物の98%の再資源化を実現。そして今、私たちは次のフェーズに踏み出そうとしています。
それは「地域循環共生圏※」の創造です。リサイクル事業はもちろん、さまざまな環境教育や環境保全への取り組みを通じて、人と産業界、そして社会全体を巻き込み、新しいサステナブルな社会を創り出そうとチャレンジしています。「未来に残したい場所」として、親子3世代が楽しみながら学ぶ、「体験型環境フィールド」として展開しています。
※地域循環共生圏…各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、それぞれの地域の特性に応じて、他地域と資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方
世界は今、持続可能な社会の創造に向けて、大きな転換期を迎えています。これまでの社会は、あらゆるモノを大量生産・大量廃棄し、資源を採掘し、作っては捨てるという「リニアエコノミー」という考えが中心でした。しかし、これからは、廃棄されていた製品や原材料などを再資源化する「サーキュラーエコノミー」の時代がやって来ようとしています。石坂産業は、そんな新しい時代の担い手となり、ごみを資源として循環させ、「ごみ」という概念そのものをなくしたい。「Zero Waste Design」のビジョンのもと、100年先も、人と自然が共存できる社会を創っていきます。