かつて江戸時代、日本は世界有数の循環型社会でした。しかし現代はどうか、というと、便利であることに気を取られ、自然という、かけがえのないものを犠牲にしつづけています。大切なのは一人ひとりができることを考え、行動していくこと。環境教育を通して、自然と共生する暮らしを共創していきます。

五感で学ぶ、環境教育のメッカになる。

地球温暖化、生物多様性、廃棄物処理。世界三大環境問題を解決するためには、「持続可能な開発のための教育(ESD)」が必要だと言われてきました。一方で、日々廃棄物処理に立ち向かう私たちは、環境問題の最前線にいる、とも言えます。だからこそ、「石坂産業にしかできない環境教育があるのではないか」と考えました。体験型里山環境教育フィールド「三富今昔村」は、その想いを形にしたものです。2011年10月には環境教育等促進法が施行され、私たちは民間企業で初となる認定を取得。

工場見学には、世界各地から政治家や大使、経営者、ビジネスパーソン、学生など、年間4万人以上が訪れています(※)。海外からお越しになる方の中には、弊社の「ごみにしない技術」「リサイクル化率98%」は驚くべき数字だと言う人もいます。諸外国の多くは、いまだに埋め立てが主流だからでしょう。しかし持続可能な社会が求められる中、ゴミを埋め立て続ける世の中でいいのか。そんなメッセージも投げかけています。

※2018年8月末時点の数字

体験の場と機会の提供。学校との連携。

くぬぎの森環境塾は埼⽟県知事から「体験の機会の場」(※)第1号に認定され、埼⽟県職業訓練校にも認定されました。⼩中学校など、学校の体験学習や社会科見学の受け⼊れ先にもなっており、年間約5,000人の学校関係者が訪れています。⼤切なのは、「場」と「機会」を提供する企業になること。⼩中学校の授業の⼀環として先⽣たちがここで教えたり、NPOを⽀援して活動を活性化させたり。最近は、さまざまな有識者からお声がけいただけるようになりました。いずれは⼤学と連携して、環境分野の科⽬として、単位になるようにもしていきたいと考えています。⾃然豊かなこの地をいかに⽣かすか。ここで⽣まれた⼈のつながりをうまく融合させることで、新しい⽂明をつくり出すこともできる。さまざまな可能性を秘めていると考えています。

※体験の機会の場認定制度とは、⺠間の団体が提供する⾃然体験活動などの体験の機会の場に対し、国、都道府県知事、政令市または中核市の⻑が認定する制度。

2017年、当社代表・石坂典子が会長を務め、当社が事務局となっている「体験の機会の場」研究機構と環境省の間で、「『体験の機会の場』の充実・拡大に関する協定」の締結を行いました。
「体験の機会の場」研究機構とは、この認定を受けた事業者が、民間の立場から体験プログラム等のさらなる充実を図るために設立した団体です。
環境教育に関して、国が初めて締結した官民協定です。
「体験の機会の場」の拡大・普及を推進し、環境教育による環境保全への理解、関心を深めるため、体験プログラムの開発や人材育成に取り組んでまいります。

人と自然が共に学び、共に育む里山。

人と自然が共生して育んできた里山。里山には、人々の知恵と工夫によって続いてきた文化や、循環する暮らしのヒントが詰まっています。私たちはこの里山が、人々の知が集まる、共に学び共に育む場でありたいと考えています。人と自然をつなぎ、100年先私たちがどのように生きていくのか、里山をどのように活かしていくのかを、みんなで考え、行動していきたい。そんな想いから、2016年に第1回「SATOYAMAと共に生きるEXPO」を開催しました。地域の皆様をはじめ多くのご支援、ご協力のもと、2日間で約10,000名の方々にご来場いただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。地域や国を超えた里山環境教育フィールドとして、これから先も「SATOYAMAと共に生きるEXPO」を開催していきます。

海外とつながって、地球規模で考える。

ヨーロッパ中から⼈が集まる環境教育の場として知られる「CAT」や、世界的に有名なインドネシア・バリ島の「グリーンスクール」。海外で展開されている環境教育機関と連携しながら、グローバルな視野で、環境教育に取り組んでいきます。イギリスやインドネシア、フィンランドなど、⾃国の取り組みや課題についての意⾒交換も始まっています。それぞれの国が⼿を取り合い、地球規模で取り組んでいく。それは決して夢物語ではなく、⼀歩ずつ着実に、幕を開けつつあります。

2018年からは、ニューヨークで年間15万人が訪れるアート施設Children’s Museum of the Arts(CMA)とのコラボがスタート。実際にニューヨークの施設で行うアート体験プログラムを、三富今昔村で同時開催します。
子どもの時から感性を高める機会を持つことは、その後の成長過程においてとても大切なこと。三富今昔村では、アートを通じて子どもたちの社会性や人間力を高め、ニューヨークの子どもたちやアーティストと交流を深めます。

環境教育パートナー

Centre for Alternative Technology(CAT)
イギリス ウェールズ マカレンス
ロンドンから北西へ約300km。2.8ヘクタールの敷地で、サスティナブルな暮らしを実現するための施設や技術を双方向に学ぶことができます。豊富な環境教育カリキュラムがあり、環境リーダーを育てる修士コースなど教育機関としても注目されています。
Green School
インドネシア バリ島 ウブド
ジュエリービジネスを手掛けていたハーディー夫妻が2008年バリ島に学校を設立。“世界一グリーンな学校”として、世界中から見学や入学希望者が絶えません。2016年にジョン・ハーディー氏が石坂産業で講演を行い、環境教育の重要性を訴えました。
Children’s Museum of the Arts(CMA)
アメリカ ニューヨーク
ニューヨークで年間15万人が訪れるアート施設。プロのアーティストが講師になり、各年齢に合わせたプログラムを開催。アートを通じて、子どもたちの社会性や人間力の向上を目指しています。三富今昔村ではコラボ企画「里山アート体験プログラム」を実施しています。
フィンランド ラハティ郡
環境先進国であるフィンランドの中でも、特に優れたclean-tech(環境技術)を持つ都市。産官学が連携し、幼少期から地域を挙げて環境教育に取り組んでいます。2017年にラハティ郡と石坂産業との間で友好の覚書に調印し、人材交流や共同研究を目指していきます。