地球は、地域の集まりです。だからまず私たちがこの地で、自然と共生する地域づくりを推進していきます。東京ドーム約4個分の敷地は、JHEP認証AAAの里山へ。歴史から学びながら、実験を重ねながら、ロールモデルをつくります。

里山再生。これからの暮らしを学び、伝える。

かつて環境元年と呼ばれたころ。「工場で排出したCO2を海外の植林事業とオフセットできる」という国外クレジットが盛んに叫ばれていました。しかし、廃棄物は本来、地元で片づけるもの。海外への植林はもちろん大切ですが、私たちにとっては、地域に貢献できない環境保全活動は違うのではないか?と感じていました。どうすれば地域の人たちに喜ばれ、受け入れてもらえる企業になるのか。辺りを見回してみると、周囲の森は荒廃し、不法投棄が繰り返されていました。

ところが歴史を紐解くと、この地は300年以上昔から人々に使われ、守られてきた森であり、里山だったということがわかりました。さかのぼること、江戸時代。川越藩主柳沢吉保は、作物が育ちにくかったこの地を開墾。落葉樹を植樹することで水脈を地下20mくらいから15mくらいまで引き上げ、井戸を掘って田畑をつくりました。里山暮らしは、とても合理的な暮らしです。これからの私たちに必要な暮らしのヒントが詰まっています。たとえば、落葉樹であるクヌギは10~15年ほど経つと伐採し、薪やシイタケを育てるホダ木(シイタケ栽培のときに種菌をつける原木)として利用します。

さらに落ち葉は堆肥として活用。ゴミを出さない、無駄のない循環農業になっています。いまでも農家の人たちは、プラント周辺の平地林を「山」と呼びますが、それは「宝の山」という意味。ならば、私たちがこの森を再生しようと思い、ボランティアでゴミ拾いからはじめました。すると徐々に口コミが広がり、地主のみなさまから「うちの土地もお願いしたい」と頼まれ、いつの間にか東京ドーム約4個分の敷地面積に。いまでは管理敷地面積178,000㎡の約80%相当が緑地帯(くぬぎの森)、環境対策施設になっており、私たちは里山の再生・保全活動を行っています。

JHEP認証”AAA”。ゴミの山は、絶滅危惧種が住む森に。

あるとき農家のおばあさまが、「昔はこの辺り一面にやまゆりの花が群生していて素敵だったのよ」とつぶやかれました。なぜ咲かなくなってしまったのか。理由を紐解くと、生態系の変化が原因だと分かりました。地域の人たちが愛していた光景を復元したい。その思いが原点となり、私たちは「生物多様性の森づくり」に取り組んできました。教育・研究機関やNGO・NPOなどと連携して、生態系を調査。どうしたら自然が生き返るか、研究しつづけた結果、いまでは少しずつ生物が戻ってきており、里山環境教育フィールド「三富今昔村」として、四季を楽しめる場所、地域の皆様の憩いの場になっています。2012年には、生物多様性の定量評価制度であるJHEP認証で日本最高ランク(AAA)を取得。雨水を再利用した池ではゲンジボタルが飛び、森の中には絶滅危惧種のニホンミツバチもいます。やまゆりも咲くようになり、「人と自然と技術は共生できる」ことを確信させてくれました。

地球は、地域の集まりです。一つひとつの地域が、自然と共生する地域になれば、やがて地球全体が変わっていくと信じています。まずはこの三富の地で持続可能な暮らしを実現すること。ゆくゆくはロールモデルとなり、世界中に広めていきたいと考えています。それがこの地域で生まれた私たちの使命であり、「三富今昔村」にこめた想いです。