「三富今昔村」が環境省「自然共生サイト」に認定されました

石坂産業株式会社(本社：埼玉県三芳町、代表取締役：石坂典子、以下 石坂産業)は、環境教育フィールド「三富今昔村」が、埼玉県で5か所目の環境省「自然共生サイト」に、3月18日付けで環境大臣認定されたことをお知らせいたします。

「自然共生サイト」は、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を環境省が認定する令和5年度から開始された仕組みです。日本の2030年ミッションである、生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた具体的な取り組みの一つであり、今後「三富今昔村」は、OECM（Other Effective area-based Conservation Measures：保護地域以外で生物多様性保全に資する区域）として国際データベースに登録され、石坂産業が、2022年から参加している、「生物多様性のための30by30アライアンス」（注1）の「30by30目標」達成に貢献することになります。

今回の認定は、「三富今昔村」が、地域の生物多様性の保全活動をしている場を体験型環境教育フィールドとして開放し、この区域の里地里山の自然資源を活用する伝統文化を受け継ぐ様々な取り組みを行っている場として認められたものです。
具体的には、2023年7月に世界農業遺産に認定された「武蔵野の落ち葉堆肥農法」（注2）の継承に努めている点、体験型環境教育フィールドとして活用されている点、公益財団法人日本生態系協会によるハビタット評価認証制度（以下「JHEP（ジェイヘップ）認証」）（注3）と社内ともに生物のモニタリング体制が整っている点、更新伐採や下刈りなど管理体制が整っている点が評価されました。

「三富今昔村」は埼玉県南部の入間郡三芳町、所沢市、川越市の2市1町にまたがる里地里山です。この区域は、江戸時代に開拓された三富新田と名付けられた地域に位置し、330年にわたりこの平地林の落ち葉を掃き集め、堆肥として畑に入れる土壌改良を行う「武蔵野の落ち葉堆肥農法」の継承に努めています。これまでも、時代の変化とともに手入れが行き届かず不法投棄が繰り返されていたこの区域を、本来の姿に戻すべく生物多様性の保全への貢献度を客観的・定量的に可視化するJHEP 認証で国内最高ランクの AAA（トリプルエー）を取得・更新しながら、保全活動を続けてきました。現在は、学生から企業のトップを含め、年間6万人以上、海外50ヵ国以上から視察で来場する体験型環境教育フィールドとなっています。また環境省の「体験の機会の場」（注4）としても、埼玉県で唯一認定されています。
今後も「三富今昔村」は、地域の「自然と文化と人々を、ふたたびつなぐ。」場として、里山の継承、体験を通じた環境教育など、生物多様性の再生に積極的に取り組んでまいります。


（注1）30by30（サーティ・バイ・サーティ）目標：2021年6月にG７サミットで約束された目標「2030年までに自国の陸域・海域の少なくとも30％を保全・保護する」の達成に向けて、2030年までに陸と海の30％以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標。本アライアンスは、30by30目標の国内達成に向けた仕組みの構築を目指し、環境省を始めとした行政、企業、NPOなどの有志連合として設立され、これまでに600以上の団体が参画。

（注2）武蔵野の落ち葉堆肥農法：2023年７月５日、国連食糧農業機関（FAO）により世界農業遺産に認定された、江戸時代から300年以上続く平地林の落ち葉を使った伝統的な農法。

（注3）JHEP認証：生物多様性の保全への貢献度を、客観的・定量的に評価、認証し、可視化できる公益財団法人日本生態系協会による国内唯一の認証制度のこと。

（注4）体験の機会の場：環境教育等促進法に基づく安全性の基準を満たし質の高い自然体験活動や社会体験活動等体験プログラムを提供する体験活動の場。

【三富今昔村】
https://santome-community.com/

【自然共生サイト　認定サイト】
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/nintei/index.html

【生物多様性のための30by30アライアンス】
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/

【武蔵野の落ち葉堆肥（世界農業遺産認定）】
https://www.town.saitama-miyoshi.lg.jp/news/2023-0706-1243-34ochibataihinouhou.html